Nov 19, 2010

男前記念日

新しい本を読みたくて、
本屋さんへ寄って帰ろうかどうしようかと迷いながら帰りの電車に揺られている途中、新橋駅のホームから駅前で"古本まつり"が開かれているのが見えたので、"ああ、何てタイミング!"と、普段は決して立ち寄らない新橋の日比谷口で降りた。


駅前の広場には10個程テントが並んでいて、所狭しとあらゆるジャンルの本が並んでいた。冬の夜の広場にテントが並んでいる中を歩くと、フランスのノエルのマルシェを思い出した。凍てつきそうな寒さの中でホットワインを飲んで暖まるあの雰囲気がすごく好きだったなぁ。。。残念ながらここにホットワインはなかったけれど、私は読みそびれていた小川洋子の新しい本と言語学の本を買った。とても良い買い物をして気持ちが少し高揚したので、どうしても今すぐ読みたくなって我慢が出来ず、近くのお店に入った。


店内はハナ金を楽しむサラリーマン達で賑わっていて、私はカウンターに座ってビールを1杯頼んだ。
実は、今まで外で1人でお酒を飲んだことがなかった私はずっと、"会社帰りにふらっとお店へ入って1杯お酒を飲んで帰る。"という行いに密かな憧れを抱いていたのだ。
男前な女性みたいでね。
もっと本音を言えば、小さな落ち着いたバーで、何でも愚痴を聞いてくれる優しいマスターがいて、、、、というのが理想だけれど。


それはともかく、ビールを飲みながら、古本マルシェで買ったばかりの本を読んだ。
始めはやっぱり、コーヒーではなくてビールを飲んでいること、飲みながら本を読んでいること、金曜日の夜に一人で外にいること、全てがちょっと不自然でしっくりこなかったけれど、意外にもすぐにリラックスできて(きっとビールのせい)気がつくと1時間が過ぎ、外の古本テントは畳まれていた。


何だかぱっとしない1日だったけど、最後の最後で全部まるく気持ちよくなってしまった。それも何だか男前だ。


今日を私の”男前記念日”と名付けよう。