Oct 23, 2011

Oct 18, 2011

October


言葉にすると、どこかに辿りついた気がして、
何かを分かったような気になって、いつも言葉を探し続けてきたけど、本当はどこにも到着していないし何も分かっていないんだってことに、もうとっくの昔に気がついている。

絵理が亡くなってもう一年以上がたつ。
この一年、彼女について何か言葉にしようとノートに向かったけれど全然言葉が出てこなかった。嘘でもいいからこういうことなんだって、納得させたくて言葉を出そうと試みたけど、
何一つとして浮かび上がってこなかった。

その代わり、彼女へ手紙を書いた。
何枚も書いた。それは私の日常だったり、周りの人の日常だったりする。たわいもない日々の事。あと、天気の事。
たまに書いたものを読み返し、また新しい手紙を書く。

その行為はひどく私を集中させ、同時に安心させてくれる。
指先から外に出てくる文字をみていると、彼女のことだけを考える世界に入り込めることを知ったから。余計な事は何も邪魔しない。

そしてこれからも、彼女に手紙を書く。
色んな場所から手紙を書く。何枚も書き続ける。
そしてずっと何も分からないままで、どこにも辿り着かないまま。